「豆類は体に良いと聞くから取り入れたいけど、色々な種類があって違いが分からない・・・」「どんな豆を選べば良いのだろう?」と思われたことはありませんか?
豆は食卓に登場する機会も多く、煮物やサラダなど幅広い料理に活用できます。大豆と枝豆は日本人にとって古くから馴染みのある食材ですが、どのような違いがあるのかよく分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、今回は毎日の食事にお豆を取り入れようとしている女性に向けて、大豆と枝豆の違いや美味しい食べ方、選び方について詳しく説明していきます。2つの豆の違いを理解して、ぜひ活用してみてくださいね。
大豆と枝豆は収穫時期が違うだけで同じもの
それでは早速、大豆と枝豆の違いについて見ていきましょう。結論から言うと、大豆と枝豆は収穫時期が違うだけで、同じ植物の種子からできています。未成熟のまま収穫された緑色のものが枝豆、成熟して茶色く乾いたものが大豆となります。まずは大豆と枝豆の基礎知識について説明していきます。
大豆とは
大豆は、マメ目マメ科に属する一年草で、穀物の一種です。米・麦・粟(あわ)・稗(ひえ)と並んで五穀に数えられる主要な穀物です。大豆は日本の食卓に登場することが多く、味噌や醤油などの調味料、豆腐や納豆などさまざまな食品に加工されています。大豆は栄養価が非常に高く、「畑の肉」とも呼ばれるほど貴重なタンパク源として大切に食されています。大豆のタンパク質は必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、肉や卵に匹敵する良質なタンパク質なのです。
枝豆とは
枝豆は、成熟していない大豆を収穫したものです。大豆に比べて柔らかく、みずみずしさがあります。また、甘みのある独特な味わいが特徴です。「枝豆」という名前の由来は、枝ごと収穫して茹でて食べたことからきているとも言われています。また、枝豆は緑黄色野菜に分類されており、豆と野菜の両方の特徴を合わせ持っているので栄養素もそれぞれのメリットがあります。大豆よりもタンパク質は少ないですが、ビタミンAやビタミンCが多く含まれています。最近では、枝豆専用の品種も栽培されています。
枝豆は400種類以上もの品種がありますが、主に「白毛豆(青豆)」「茶豆」「黒豆」の3種類になります。また、特定の地域で古くから受け継がれてきた「地場品種」があり、収穫量が少ないため希少価値が高いブランド枝豆として人気があります。代表的なブランド枝豆を3つご紹介します。
- だだちゃ豆
- 茶豆(黒埼茶豆)
- 丹波黒豆(丹波篠山黒大豆)
兵庫県篠山市の特産品で、黒豆を代表するブランド大豆「丹波黒豆」の枝豆です。黒みがかった緑色をしていて、大粒でコクのある味わいが楽しめます。流通期間が短く栽培も難しいので、高級品とされています。
大豆アレルギーは枝豆もNG
大豆はアレルギー症状を引き起こす食材の1つです。大豆に含まれるタンパク質がアレルギーの原因になるので、
アレルギーのある方は、大豆や大豆の関連食品は摂取しないようにご注意ください。また、枝豆は未熟な大豆でタンパク質を含むので、アレルギーのある方は控えるようにしましょう。
大豆と枝豆の栄養成分を比較
大豆と枝豆の基礎知識について、ご理解いただけたでしょうか?ここからは、大豆と枝豆の栄養成分を深掘りしていきます。栄養価の違いを知って、ご自分に最適な食生活をお送りくださいね。
栄養成分表
大豆 |
枝豆 |
|
カロリー |
422kcal |
135kcal |
タンパク質 |
33.8g |
11.7g |
炭水化物 |
29.5g |
8.8g |
脂質 |
19.7g |
6.2g |
食物繊維 |
17.9g |
5.0g |
ビタミンB1 |
0.71mg |
0.31mg |
ビタミンB2 |
0.26mg |
0.15mg |
ビタミンC |
3.0mg |
27.0mg |
ビタミンE |
24.8mg |
9.9mg |
葉酸 |
260μg |
320μg |
ナトリウム |
1mg |
1mg |
カリウム |
1900mg |
590mg |
カルシウム |
180mg |
58mg |
マグネシウム |
220mg |
62mg |
リン |
490mg |
170mg |
鉄 |
6.8mg |
2.7mg |
亜鉛 |
3.1mg |
1.4mg |
※乾燥豆・可食部100g当たりの含有量
※データは「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」による
大豆に含まれる栄養素
大豆には私たち人間にとって必要な栄養素がたくさん詰まっています。まず一番の特徴として、大豆に含まれる栄養成分のうち約30%がタンパク質であること。大豆タンパク質は、我々人間が作り出せない必須アミノ酸がバランスよく含まれていて、「畑の肉」と呼ばれるほど良質なタンパク質です。この働きにより、肥満の予防・改善や血中コレステロールを低下させるなどの効果があると言われています。
さらに、三大栄養素である炭水化物と脂質やビタミンB群をはじめとしたビタミン類、食物繊維、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛など実にさまざまな栄養素が豊富に含まれています。一方で、大豆はコレステロールを全く含んでいないのも特徴なので、ヘルシーな食生活を送りたい方にもってこいの食材なのです。
また、大豆はイソフラボンを含む食材としてもよく知られています。大豆イソフラボンは女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをすることから、若い方から更年期を迎える方まで多くの女性にとって嬉しい成分です。エストロゲンは、健康と美をサポートする女性にとって重要なホルモン。エストロゲンは20代をピークに徐々に減少していくので、食品から補給するのはとても大切です。コラーゲンの生産を促進して肌のハリツヤを保ったり、女性らしいボディラインを作ったり、自律神経の乱れを整える、更年期障害の予防・改善などさまざまな効果があるので、積極的に摂取したい成分です。
枝豆に含まれる栄養素
枝豆は豆と野菜の両方の栄養素を含んでおり、大豆と同様に栄養価が非常に高いのが特徴です。タンパク質や脂質が豊富で、食物繊維、ビタミンB1、カルシウム、鉄分などがバランス良く含まれています。また、大豆には少ないビタミンCやβ-カロテンなど緑黄色野菜に多く含まれている栄養素が含まれているのも特徴です。
枝豆に含まれるタンパク質は、大豆と同様に体内で合成できない必須アミノ酸がバランス良く含まれています。タンパク質は、筋肉や臓器、皮膚、髪などを作るもとになり、生命の維持に欠かせない重要な栄養素です。
また、枝豆に多く含まれるビタミンB1は、糖質を分解してエネルギーに変える働きがあります。ナトリウム(塩分)の排出を促進するカリウムも豊富なので、むくみの改善にも役立つと言われており、枝豆は夏のスタミナ不足や疲労回復、ダイエットに良いと言われています。また、β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、活性酸素から体を守り免疫力を高める効果があります。その他、枝豆に含まれる鉄分は、貧血を予防したり無力感や食欲不振などへの効果が期待できます。
枝豆の注目成分「メチオニン」
枝豆にはさまざまな栄養素が含まれていますが、その中で注目したい栄養素が必須アミノ酸の一種である「メチオニン」です。メチオニンは、ビタミンCやビタミンB1と共にアルコールの分解を促進します。肝臓の機能を助けて、飲み過ぎや二日酔いを予防する効果があります。お酒のおつまみとして枝豆を食べるのは、理にかなっているということです。
また、メチオニンは脂肪燃焼効果が期待できる栄養素として最近注目されています。メチオニンは、脂質の代謝に必要な物質である「L-カルニチン」を作る原料となります。体脂肪を効率よく燃焼させるにはL-カルニチンが必要不可欠ですが、加齢と共に減少していきます。また、メチオニンは体内で合成できないので、食事などから摂取する必要があるのです。
大豆の美味しい食べ方・選び方
続きまして、大豆の選び方やゆで方を説明していきます。
大豆の選び方
大豆を選ぶ時は、粒や形が整っていて色ツヤの良いものを選びましょう。また、表面に傷が多いものは避けてください。皮が乾燥したり破けている大豆は古いものなので、水に戻すときにより時間がかかってしまいます。なるべく新鮮なものを選ぶようにしましょう。
大豆のゆで方
- 豆を水で戻す前に、大豆を洗いましょう。
- ゆでる前にたっぷりの水に浸しておく
- たっぷりの水でコトコトゆでる
鍋に大豆とたっぷりの水を入れて、沸騰させてから弱火にしてコトコトとゆでていきます。おおよそ2~4時間で柔らかくゆであがります。
枝豆の美味しい食べ方・選び方
枝豆の選び方やゆで方を説明していきます。枝豆を選ぶ時は3つのポイントに気をつけましょう。
枝豆の選び方
- サヤがふっくらとしていて実がしっかりと詰まっているものを選びましょう。サヤが痩せていて実が小さい枝豆は、味が薄いものが多いので避けます。
- サヤが緑色で、毛がしっかりと立っている枝豆は鮮度が良いです。
- 枝付きの方が日持ちするので、可能なら枝付きのものを選びましょう。葉が緑色で新鮮なものは鮮度が良いです。
枝豆のゆで方
- 新鮮なうちにゆでる
- サヤの両端を切り落とす
- ゆでた後は水にさらさず、熱々のうちに食べる
枝豆はゆでた後に水にさらすと水っぽくなってしまうので、熱々のまま食べましょう。
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