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ウェルビーイングの意味は?5つの構成要素・効果やメリット・ウェルフェアとの違いを紹介

ここ最近注目を集めている「ウェルビーイング」という言葉をご存じでしょうか?


ウェルビーイングは、「Well(よい)」と「Being(状態)」が組み合わさった言葉で、「よく在る」「よく居る」状態や、心身ともに満たされた状態を表す概念のことです。


本来、ウェルビーイングは社会福祉や医療、心理などの分野で使用される言葉でしたが、近年では政府の働き方改革の推進や価値観の変化などを背景に、ビジネス界でも用いられることが多くなりました。


そこで今回は、ウェルビーイングの意味や5つの構成要素、ウェルビーイングのメリットや効果などを詳しくご紹介します。


ウェルビーイングの意味とは


まずは、ウェルビーイングとは何なのか、その定義や意味から学んでいきましょう。


身体的・精神的・社会的に良い状態


ウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的に良好で満たされた状態であることを表す概念で、直訳すると「幸福」「健康」「福利」を意味する言葉です。


簡単に言うと、心身ともに満たされた状態を表す概念で、もともとは「健康的な・幸せな」を意味する、16世紀のイタリア語「benessere(ベネッセレ)」が起源とされています。

従来の「健康」が身体的に良好な状態を表す概念であるのに対し、ウェルビーイングは、身体的・精神的・社会的にも良好な状態であることを表しているので、より広い意味での「健康」であると解釈できます。


ウェルビーイングの構成要素


そんなウェルビーイングの概念には「PERMA」という指標があります。


これは「ポジティブ心理学」という自己実現理論を唱え、発展させたマーティン・セリングマンによって考案されたもので、私たち人間は以下の5つの要素を満たしていると幸せであると言われています。


・Positive Emotion(ポジティブな感情)

・Engagement(何かへの没頭)

・Relationship(人との良好な関係)

・Meaning and Purpose(人生の意義や目的)

・Achievement / Accomplish(達成)


以下で詳しく見てみましょう。


5つの要素で成り立っている


・Positive Emotion(ポジティブな感情)


希望や喜び、愛や思いやりなどポジティブな感情を持つことで人は幸福感を得られるといわれています。


・Engagement(何かへの没頭)


エンゲージメントとは会社への愛着や思い入れのことであり、エンゲージメントを感じている状態をフロー状態といい、幸福を感じる瞬間と言われています。


・Relationship(人との良好な関係)


パートナーや家族、友人、同僚など他者に支えられ、愛されている・大切にされていると感じることで人は幸福感を感じます。


・Meaning and Purpose(人生の意義や目的)


仕事やボランティア活動、コミュニティ活動などを通じて、人生に目的を持つことで人は幸福感を感じられます。


・Achievement / Accomplish(達成)


目標に向かって努力し、達成することでも人は幸福感を感じます。


アメリカのギャラップ社が定義した5つの要素

また、ウェルビーイングの概念として、世論調査やコンサルティング業務を行うアメリカのギャラップ社が定義した5つの要素も有名です。


・Career Wellbeing:仕事だけでなく自分で選択したキャリアの幸せ

・Social  Wellbeing:どれだけ人と良い関係を築けるか

・Financial Wellbeing:経済的に満足できているか

・Physical Wellbeing:心身ともに健康であるか

・Community Wellbeing:地域社会と繋がっているか


中でもキャリアウェルビーイングは5つの要素の中でももっとも重要と言われており、キャリアウェルビーイングの高い人は、人生で2倍以上もの豊かさを感じているという調査結果もあるほどです。

ウェルビーイングの注目理由


ではなぜ、近年ウェルビーイングがこんなにも注目を集めるようになったのでしょうか?


続いて、ウェルビーイングが注目を集めている理由と背景を見てみましょう。


価値観の変化


ウェルビーイングが注目されるようになった理由の一つに、価値観の変化が挙げられます。


「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」へと価値観が変化したことによって、世界規模でより良い社会をつくる方向へと変わろうとしていることが、ウェルビーイングが注目されるようになったきっかけの一つと言えるでしょう。


多様性の尊重


近年は、人種や宗教、性別やワークスタイルにとらわれない「ダイバーシティ」という考え方が広がっています。


多様なバックグラウンドを持つ人と良好な関係を築いて、仕事していくためには、ウェルビーイングの考え方が必要だと言われているので、多様性の尊重もウェルビーイングが注目を集めるようになった理由の一つだと考えられます。


働き方改革


2019年から本格的に進められている「働き方改革」では長時間労働の見直しや多様な働き方に対応できるような改革が求められています。


働き方改革では、単に福利厚生を充実させるだけではなく、その根底にはウェルビーイングの考えが必要だと言われています。


また、新型コロナウイルスの影響で、テレワークが急増したこともウェルビーイングが注目を集めるようになった理由の一つです。


テレワークによって精神的なストレスが増加し、体調不良を訴える人が増えたことで、企業は社員の身体的な健康状態だけでなく、精神的・社会的な健康のケアも求められるようになったことが、ウェルビーイングが注目を集めるようにったきっかけの一つと言えます。


労働力のアップ


労働力のアップや人材確保の面でも、ウェルビーイングの考え方が必要だと言われています。


近年、少子高齢化によって日本における労働人口は減少傾向にあります。


今後も労働率は50%ほどにまで低下すると見られており、人材確保や労働力のアップが求められています。


労働力率をアップさせるには、「病気治療と仕事の両立」「育児と仕事の両立」「働き方改革」が必要であるとされているので、まさにウェルビーイングの概念や考え方が当てはまります。


健康経営


経済産業省が推奨する「健康経営」もウェルビーイングが注目を集めるようになった理由の一つです。


健康経営の推進によって、企業の健康への関心が高まったことで、身体的・精神的・社会的に健康な状態を目指すというウェルビーイングの考え方がより求められるようになるでしょう。


新型コロナウイルス感染拡大


先ほどもお話したように新型コロナウイルスの影響で、テレワークが急増したこともウェルビーイングが注目を集めるようになった理由の一つです。


リモートワークの普及によって、「自分らしい働き方」を考え直す人が増えてきましたが、その一方で、コミュニケーション不足やメンタルヘルスの問題も指摘されています。


テレワークによって身体的な健康状態だけでなく、精神的・社会的な健康のケアも求められるようになったことが、ウェルビーイングが注目を集めるようになったきっかけと言えるでしょう。


大阪万博の注目


2025年開催予定の大阪万博では「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマが掲げられています。


これは、まさにウェルビーイングの考え方と重なるテーマで、どのように万博に反映されていくのかが注目されています。


このほかにも国内では、2021年に政府が毎年発表する「成長戦略実行計画」において「国民がウェルビーイングを実感できる社会の実現」という文脈でウェルビーイングが登場しています。


さらに2021年9月には「日経Well-beingシンポジウム」なども開催されているので、日本全体を通してウェルビーイングに向かう時代の流れが進んでいくことが予想されます。


ウェルビーイングとウェルフェアの違い

ウェルビーイングと似た言葉に「ウェルフェア」がありますが、ウェルビーイングとウェルフェアは何が違うのでしょうか?


続いて、ウェルビーイングとウェルフェアの違いについて解説します。


目的と手段の違い


ウェルフェアは、「福祉」と翻訳されることもありますが、主に「福利厚生」として認識されています。


具体的には、給与以外で従業員や家族に提供される制度や仕組みなどのことで、社会保険などの法定福利厚生と、家賃補助や社食といった法定外福利厚生があり、「ウェルフェアサービス」と呼ばれることもあります。


どちらも従業員や家族の健康を向上させるためのものですが、ウェルビーイングが「目的」であることに対し、ウェルフェアは「手段」であることが大きな違いです。


ウェルビーイングの効果やメリット

続いて、ウェルビーイングを企業が導入することで得られる効果やメリットをご紹介します。


従業員の健康促進


企業がウェルビーイング経営を導入することで得られる一番のメリットは、従業員の健康促進です。


従業員の健康状態が良くなれば、仕事に対するモチベーションもアップするので生産性の向上や会社全体の業績アップにつながります。


また、従業員が熱心に仕事に取り組むようになれば、新しいアイデアが生まれたり、作業効率がアップしたりといった効果も期待できます。


生産性の向上


ウェルビーイング経営によって、従業員のやりがいや働きやすさが向上すれば、社員のワークエンゲージメントがアップします。


ワークエンゲージメントとは、従業員の心の健康度を示す概念のことで、仕事に対して「熱意」「没頭」「活力」の3つが揃って充実している心理状態のことです。


このワークエンゲージメントが向上することで、企業の業績アップや生産性の向上が期待できます。


休職・離職率の低下


また、ウェルビーイング経営を導入することで、従業員の心身の健康状態を管理しやすくなるので、従業員の悩みにも早く気づけるようになります。


悩みを早期に解決し、より働きやすい環境を作ることで、従業員の休職・離職率の低下にも繋がるでしょう。


優秀な人材の獲得


ウェルビーイング経営を取り入れることで、優秀な人材の確保にも繋がります。


特に求職者にとって、応募する企業の離職率や福利厚生の充実度は、重要な基準の一つと言えます。


ウェルビーイング経営によって従業員の労働環境が良くなれば、それだけ離職率も下がるので、企業のイメージアップや優秀な人材の確保といった効果が期待できるでしょう。


従業員の満足度向上


ウェルビーイング経営によって、より働きやすい環境が整うことで、従業員の満足度も向上します。


従業員の満足度の高さは、従業員同士の人間関係にも良い影響を与えますし、円滑なコミュニケーションが行われるようになれば、生産性の向上にも繋がります。


「生産性の高い仕事ができている」という実感も感じられるようになるので、結果として従業員の成長意欲に繋がり、仕事のモチベーションもアップするでしょう。


まとめ


今回は、ウェルビーイングの意味や5つの構成要素、ウェルビーイングのメリットや効果などを詳しくご紹介しました。


ウェルビーイングは、身体的にも精神的にも健康で幸福に満たされた状態であることです。


ウェルビーイングの概念を取り入れることで、心身の健康だけでなく、人生における満足度や充実度の向上に繋がります。


また企業がウェルビーイング経営を導入することで、会社全体の業績アップや生産性の向上、従業員の満足度向上といった多くの効果・メリットをもたらしてくれるので、ぜひこの機会にウェルビーイング経営の導入を検討してみてはいかがでしょうか?